
こんな感じになるのだろうと思って黒の上下ジャージをつけて稽古してました。(黒のタイツももってたんだけどね)

12月28日だったかな。自前の黒シャツに自前の黒いマスクに角だけ黒のカチューシャ さらに肩パットとしてレッグウォーマーのようなものをつけると。エエー肩に?臭いそう...と思いながら装着(実際は家で肩に縫いつけたり、カチューシャも取れないよう後ろにゴムをつけたり内職しました)
さらに女性物の網目のものもつけて

こんなできあがり。
羽根も実はさかさまにつけて、赤い部分が肩から見えるようにしています。

ここで思わぬ指示が門田さんより
「最後の契約書のシーンは悪魔くんスーツで」
エエエーーー。早替えあんの?!
てか、スーツに黒かばんとなると、根本的に悪魔くんのキャラも見直さなきゃ。
ズボンはスーツのものを常時着用となったので、黒タイツでモッコリは間逃れたもののキャラどうしよう。
登場きっかけも早野と寧々のイイとこで出て行って「くっさ~」が第一声。
当初はお笑いキャラでいこうとしてたので、大げさにしてたのですが、ビジネスモードとなると言い方も試行錯誤。
「くさっ」と短く言ったのが仲間内では面白いとなったけど、面白くしたいわけじゃないのよね。
まー、本番は結局、悪魔くん出てきただけで笑いがおきたので、ここは途中のセリフで場を締めようと
「馨君(ここで間をため、顔をそむけ 振り向きざまに) あんたは負けちまったー!」と大声を出してみたのです。
シーンとはするものの、そのあと破った契約書拾うところで、また笑われるんだけどね。

契約書も稽古の時から実際に破りながらしてたんだけど、原作では八つに破るんですね、でも後で拾うことを思えば四つがいいかと勝手に決めました。元々台本には、破った契約書を拾うなんて書いてないんですよ。でも、そのまま舞台からハケるわけにもいかないし早野や寧々が拾い集めるのも変。だったら帰りかけて悪魔くんが気付き回収しようと。律儀なビジネス悪魔を見せられるかなとね。実際、セリフはそのあとも続くので、その流れで話そうというのは、1回目の稽古からしていました。
サングラスをはずすタイミング。これも稽古中には何度か失敗しました。ま、一番いいのが契約書を破った後だなと思い本番では5回ともそのタイミングではずしました。
サングラスをつけた理由、早野のセリフで「悪役○会風ですね」というものがあり、当初、これも私のことを知らない人がきいてもわからんのカットしてください。と演出の門田さんには話したのです。でもこれは残すとなり、それでは少しでもそう見えるようとつけたのです。
同じ意味で、居酒屋で寺谷に怒るシーンも当初いすの上に立ってました。そしたら本番のいすがあまりにも小さく、結局いすをかざして怒っています。これも「悪役○会風」に見せる動きなんです。
ここでこのシーンの裏話を

早野のセリフきっかけで悪魔くん登場なんだけど、まず初日のリハーサルの時、セリフがよく聞こえなくて、早く出すぎちゃったのよ。で、本番、集中して聞いていると一瞬「無」の状態におちたんでしょうね。そでから舞台監督の船越さんが「悪魔くん」って言っていただけたのでそれきっかけで出ました。
その時、早野と寧々は、悪魔くんでてこないどうしようとお互い見つめあっていたようです。それが、お客様にはすごく2人の演技が良かったと見えたみたいで(笑) いいわけするとね。耳までかくれてる衣装だから、ほんまに音楽しか聞こえないのよ。
もう1つ裏話。
寧々に悪魔くんは見えているのか?
監督や大地は天使のことが見えていない。となれば寧々も悪魔は見えてないはず。
でもセリフで早野が「悪魔と契約してた」 寧々「なんとなくそんな気がしてた」 見えてないけど気付いていたのか?
寧々は最後早野が走り去っていくときに後を追うのだが、心境として悪魔に一礼をしたいと 千秋楽の公演前に楽屋ではなしていたんです。実際は本番中に一礼しなかったけど、寧々の気持ちは舞台上でしっかり私には届いていました。
ドラマや映画だと私は悪役なので、だいたい一話で捕まるか殺されるかという結末なので、レギュラー出演ってないんですよね。
だから同じスタッフや共演者と毎日現場で会うってことは、23年の芸能活動の中でもそんなにないんですよ。
でも、舞台って稽古や本番で、ほぼ毎日会ってると、本当家族みたいになってね。だから千秋楽終わると寂しい気持ちが襲ってきます。
勝負で悪は負けたけど生き残り、勝負で主役は勝ったけど命を奪われる。
悪役俳優を長くしてきて、こうゆう展開は新鮮でした。




もちろんココでは話せない裏話もあります。それはまたお会いする機会があったときに。

ありがとう

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